【認知症】他人に迷惑をかける

介護

他人に迷惑をかけ始めたら

認知症の親が一人暮らし、一緒に住んでいるけど日中は留守がち、と言う場合、
行動をずっと見守り続ける事は出来ない。
認知症である当人は、自分はまだちゃんと出来ている!
みたいな謎の自信をもっていたりするので、
買い物に行ったり、友達と会ったり、散歩に出かけたり、
お金を下ろしたり、電話をかけたりと誰かと関わる行動をします。

それらは、できる限り制限しない方が良いに越した事はありません。
出かける事は刺激になるし、出来れば積極的に出かける方がいい。

しかし。しかしながら。
認知が進んでくると、他人に迷惑をかける可能性も出てきます。
これは、家族がまず

『もう、無理だ!どうしよう?』

と壁にぶち当たる大問題になります。

具体的に、ふくちゃんがどんな迷惑をかけてきたのかを
例として見ていただきたいと思います。

ご近所さん

ふくちゃんは、私に電話が繋がらないとお向かいさんにすぐに駆け込みます^^;
めちゃくちゃお世話になっています。
認知症になる前は、仲良しで喫茶店でおしゃべりしたりする普通の友人関係。


今は、病気だと理解してくれていて、ふくちゃんが悪態をついても普通に接してくれます。
私の愚痴もいつも聞いてくれる優しいおばちゃんです。

私がいないときには、(2年半ほど海外に居住しており留守にしてた)
母が泣きついて何度か病院に連れて行ってくれたり、
時々お茶持参で様子見にきて話し相手になってくれたり。

ゴミ出しが分からなくなり、家の前に放置していた時は
動物に荒らされて、そんなのを黙って片づけてくれていたり
してくれてました。

良く行くスーパー

歩いて行けるスーパーは免許を返納した老人にはありがたい存在です。
でも、お金を扱う場所はトラブルも起こりやすい。

ふくちゃんは、黄金糖(飴)が大好きで、無くなるとソワソワします。
で、突発的に黄金糖だけを買いに行ったりしていました。
しかし、段々と怪しい言動を取り始めたのです。
レシートを持ってるのに、

「後で届けてくれると言ったのにもらってない」
「2つ買ったのに、1個しか入ってない」

あやしい、と思いながら様子を見ていたのですが、ある時

「今日の朝、飴取りに来てくださいって言うから、レシート持って行ってきた」

と、黄金糖を見せてきた。普段の言動から、
”これは、クロだぁ”
と悟った私は、お店に行ってふくちゃんの事を尋ねてみました。

小さなスーパーだから、覚えていてくれて担当してくれた方と、
店長さんにも訳をお話しして、代金を支払いました。もうね、

すーみーまーせーーーーん!!!!(平謝り)

ですよね。済んだレシート持って行って、
”これ、もらってない!”

とか、恐喝・・・犯罪ですよ。マジで。
きっと、話を聞いてくれた方、ものすごく困っただろうなぁ。

今どきは、言動が怪しげなご老人もちらほら見かけますよね。
店員さんとか、困ること多いんだろうな。
私が謝っても仕方ないけど、ごめんなさい。

大きな物を買う時

これは、本当にびっくりしました。
認知症が発症して、そんなに経っていなかったと思いますが、
冷蔵庫の調子が悪いから、買い替える事にしました。


ふくちゃんに、一緒に電気屋さん行って買おうね、
一人で勝手に買っちゃダメだよ!と言って置いたのですが、
団地内にある個人の電気屋さんで、勝手に注文しちゃってました。

その電気屋さんは
いつもエアコンの修理とか、すぐに見に来てくれる頼れるおじさん。
だから、そのお店で買うことには全く問題はないのですが、

冷蔵庫が届いて、設置して、電源を入れ、中身を入れた後で

「頼んだのと違う。こんなの頼んでない!」

と言い始めました。言わんこっちゃない・・・。

冷蔵庫を注文したことすら知らず、設置してから
勝手に頼んだのを知った私。そして、ふくちゃんの怪しい言動。
絶対に、迷惑をかけていると悟りました。

慌てて電気屋さんに行きましたとさ!
悪質なクレーマーそのものなふくちゃんの態度に、
いつも温厚な電気屋さんはぶち切れ寸前。

訳を話して、

すーみーまーせーーーーん!!!(平謝り)

冷蔵庫は返品交換する必要はなく、説明してちゃんと
使いますので~と。

その後も、電気屋さんは何かの修理とかで電話すると、
すぐ来てくれて、色々とお世話になっています。

かかりつけ病院、薬局

ふくちゃんのかかりつけ病院は、近くにある内科。
私も子供の頃からお世話になってるごくごく普通の町医者。

ふくちゃんも、何かあったら、すぐT先生に行く!と
ものすごく頼りにしていました。

でも、依存心が強すぎて、何度も電話してしうことがありました。
しかも、休診の日とか、夜とか関係ないのです。

ある時、日曜に電話したらたまたまT先生の奥様が電話に
気が付いて出てくださったのです。

そこでふくちゃんは、

「ずっとすごく気持ちが悪くて、どうしようもないんです。」

と、大女優並みの名演技(本人は真剣ですが)で直訴して、
先生の奥様を困らせる・・・なんて事が。

次に病院へいった時には、

すーみーまーせーーーーん!!!先生。

謝ってばかりです・・・

金融機関 保険関係

これは、金銭トラブルという事ではないのですが、
定期預金が満期になったので、手続きしてね、というのに
気が付かずとか、お知らせしたいことがあるのに、
連絡がつかない事がありました。
(各種保険会社も同じですね)

ポストに名刺やメッセージが入っていたり、留守電メッセージが
ある時は、何か更新手続きが必要なことがあるかもしれません。

警察や消防

これは、一番ショックを受けます。
認知症の人にでも簡単に呼ぶことができる番号であることを
何度憎んだことか!?

初めて110通報したのは2019年。
認知症の周辺症状に、「もの盗られ妄想」というのがありまして、
時々、

家の権利書がない!
通帳を預けたら返してくれない!
家に勝手に知らない人が入ってくる!

などなど言っておりましたが、突然うちに警察から
電話があり、お母さんがカクカクシカジカ・・・と言われ
慌てて駆けつける ”事件”がありました。もちろん

すーみーまーせーーーーん!!!!(平謝り)

救急車に関しては、昨年は何度も電話してしまい、
もう、ほとほと、だいぶ、疲れました・・・。

夜中だったりすると、もう自衛隊並(?)の早身支度で
駆けつけたり。

忙しいであろうに、
こんな、訳が分からない婆さんに呼ばれても、
皆さん、ほんとーにほんとーに親切に対応して下さる。

いやな顔しないどころか、

「また何かあったら、いつでも呼んでくれていいからね、お母さん。」

といつも優しい言葉とともに帰っていきます。

分け隔てなく市民の安全と健康を守るって、尊い仕事だな~
と毎回感動してしまいます。

でも、毎回


「あの人たち、なんで来たの?」


のふくちゃんの一言で感動がぶち壊されます。

窓口を設置する。

色々とやらかしてます。
書いていて、吐きそうになりました(爆

この4年。ふくちゃんは、いろーんなところで、いろーんな人に迷惑をかけて来ました。

私は沢山の人に会って、謝罪みたいな事をして来た中で、
周りの人に協力をしてもらいやすい方法を見つけました。

相手にちゃんと理由を話して、心してご迷惑をおかけしてすみません!
と対応すればほとんどの人は「あんたも大変だねー」と
理解をしてくれるものです。
でも、それだけでは足りません。

自分が、ふくちゃん専属の苦情窓口になる。

これが重要です。
迷惑をかけられた人は、説明しても話が分かってもらえなくて、
困っていたり、腹を立てたりしている訳です。本人に言っても、埒があかない。

事情は分かったけど、
またこんなことあったら、かなわんな~

というのが本音ですよね。

だから、私は謝罪した際に、


何かあったら、こちらに連絡を下さい。

と必ず自分の連絡先を渡します。

何かあっても、まともに対応してもらえるとわかると、
大抵の人は安心して、母に親切に対応してくれます。

ふくちゃんに、
もう二度とこんな事しないでちょうだい!と訴えても
1分で忘れます。
てか、そもそもやらかしたことを覚えてないので。

連絡先を渡しておくと、自分も楽。
何かあったら連絡が来るし、知らないところで誰かに
迷惑をかけてるリスクが減るからね。

当たり前の事かもしれないけど、誰かの役に立てる気もして、
こうしてブログに書いてます。

先方に確認や謝罪する時は、本人はいないところでね。
そんなことしてなーい!と大騒ぎになりますので(-_-;)
取り急ぎ、電話でも良いと思います。

妄想の中にヒントがある!?

ふくちゃんがやらかしてきた例を見て共通していることは、

”妄想がヒントになる”

という事です。
認知症の人に特徴の一つに、

自分の都合のいいように言う。

というのがありまして、
誰かを責めたり、何かを訴えている時は、
自分の方が何かをやらかしている場合があったりします。

最近だと、
私に何十回も電話してくるのですが、
「夜中に何回もしつこく電話がかかってくるのよ!」

といった具合に、自分がしてることを、されたかのように
すり替える事がよくあります。

普段の言動は、ほとんどが戯言ですが、
真実が隠れていることもあるので、なんか引っかかるなーって
時は、少しだけ注意深くなった方がいいかもです。

まとめ

認知症の人が他人に迷惑をかけることは、
時に、どうしようもありません。

でも、相手の立場に立って困ってることを理解した上で、
真摯に伝えればほとんどの人は協力してくれます。

自らが、苦情窓口となり、認知症の人を支える。

そうすれば、周りの理解も得られて、
もう少しだけ、今の生活を維持することが
できるかもしれません。
無用な誤解や衝突は避けたいですよね。

今日も大変だけど、

今はまだいい方。

出来なくなった事より、出来る事を数えていきましょう。

・・・いいこと言っても、心はボロボロな
chocofumiなのでした・・・

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