できれば誰にも会いたくない人々

思考回路

朝、必ずしなければならない仕事。

それが、犬の散歩です。

我が家には、3歳の柴犬がいます。
飼う時にノリノリだった息子はとっとと家を出て、
家に居た時も、面倒なんてもちろん見なくて、
今は、両親に会うためではなく、
犬に会うのを楽しみに、時々帰省します。

犬を飼うと、必ず朝、夕散歩する。

こんな大変そうな事、よくみんなやってるなー。
唯でさえ忙しいのに・・・

犬を飼う前は、ずっとそう思っていた。

でも、最近は、
室内で放し飼いにしているからか、小型犬だからなのか、
全く散歩していない家庭もある。

散歩で近所を歩いてると、
犬の鳴き声は聞こえるけど、
散歩してる姿は見かけたことないなー。
という人がかなりいらっしゃる。

自分が犬を飼って、散歩してみて
結構面倒だな、と感じたのは、
朝夕の散歩自体ではなくて、
同じく犬の散歩してる人との挨拶とか立ち話だった。

気が付けば、
ちょっとピークであろう時間をずらしたり、
遠くに誰かが見えたら反対方向へ行ったりと
出来るだけ話さないでいいようにしていた。

私も、飼ってる犬も、
特段コミュニケーションが苦手な訳ではない。
必要性を感じないだけなんだよね。

完全に無視する訳ではなくて、
お互い存在に気が付いてたら、手を振ったりとか、
挨拶して通り過ぎたり。
最低限、感じ悪くならないように、
行動はとっているつもり。

出来るだけ人に会わないように
試行錯誤してるうちに、
あまり人に会わないコースに変えた。

でも、そこでもやっぱり誰かに会ってしまう。

それならばと・・・
時間帯も段々早めて、現在は早朝の散歩に落ち着いた。

まだ暗いうちに家を出て、
明るくなった頃に家に到着する。

人に会いたくない一心で始めた早朝散歩。

山と川しかない車道沿いの道。
家を出てすぐは、見えるものすべてが”黒”なんだけど、
段々空が白んでくると、景色に色がついてくる。

うまく言えないのだけど、
どこかのスタジオにでもいるような、
なんか不思議な感覚になる。

確実に感じるのは、

毎日違って、毎日美しい。

そんな訳で、
行かなきゃいけない犬の散歩は、
私が見たい景色を見に、犬を連れて行く。

に昇華したのです。

連れていかれる犬

まだ暗いうちに、外へ出ると、
他の家の灯りに気が付く。
私はこの時間、散歩をしてるけど、
別に特別頑張っている訳ではないのだ。

みんなちゃんと早くから起きて、

お弁当や朝ご飯を準備したり。
仕事へ行く支度したり。

早朝の誰かの家の灯りは、

”みんな、みんな、頑張ってるんだ”

と、気づかせてくれる。
それは、その時間、外をほっつき歩いているからこそ。


日の出時間と言うのは、一定のリズムで変わる訳じゃなくて、
架空の国の文字みたいな、
難しい計算で求められるようです。

最近は、1日~2日で、日の出は1分早まるので、
あの景色を見るために、
私も毎日、1分早起きするつもりで、
早く寝るようになりました。

でも、肝心な

「できれば誰にも会わない」

というおかしな目標は達成できたのか???

朝、暗いうちなら、と思っていたけど、
毎日、誰かしらには、遭遇します。

同じく早朝に犬の散歩してる方
ご夫婦でウォーキングしてる方
庭へ出て掃除や植木の面倒をみるおばあちゃん。

その方たちが、私と同じように、

出来るだけ誰とも会いたくない

と思っているかは分からない。

でも、ひとつ言えるのは、
そんな時間から外へ出て行動してるんだから、

自分の世界があって、
自分の時間を大事にしてる

そんな人達じゃないか、と。

わざわざ早起きしてまでしてるのに、
お互い邪魔したり、立ち入るなんてことはしない。

絶対に立ち話なんてならないし、
本当に、軽く会釈するくらい。

時間帯の連帯感

を、毎朝感じています。

もう一つの、早朝の散歩を楽しみにしてる要素。

友達が、今年から早朝にランニングを始めたこと。

”暗いうちに、家を出て、帰ったら明るくなる時間”
”ちょっと遅い時間だと、人にジロジロ見られるから嫌!”

私と全く同じ思考と行動(笑)

毎朝、友達も、今、走ってるかなーと
思いながら大きく息を吸い込む。

家に帰ると、すっかり辺りは明るくて、
そこから私の現実の一日が始まるのだ。


コメント

タイトルとURLをコピーしました