傾聴

思考回路

48歳(もうすぐ49歳!)にして、
ある分野において、
自分の能力が著しく欠けている事に気が付きました。

それは、

「話を聞く」

という、能力です。

正直、今まで全く気にしたことが無かったのですが、
この数年、
家族(特に子供たち)との信頼関係が
実は出来てないんじゃないか・・・?
って感じる場面が多々ありました。

”反抗期なのかな?”

などとお気楽に考えて、はや数年。

自分に都合よく考えてる間にも、
どんどん大事な何かが失われて行く感覚。


たくさん積み上げたと思っていたものが、
そもそもほとんど無かったのかも知れないという不安。

言葉で何とかしよう。

日常も、ブログも。

良い事を言って、
良い事を書いて、
言葉で勝負しようとしていた。ずっと。

子供の話をさわりだけ聞いて、
良い事を言ってその場を丸く収めて、
私だけがずっとずっと満足していたのだ。

それだけならまだ良いのだが、
私には更なる悪い癖がある。

”ひとこと多い”

のだ。
最悪だ。本当に最悪だ。

よく話を聞きもしないで、
勝手に話をまとめて
地雷を落とす。。。

私は、ずっとこんな事をしていたのだ。

子育てがうまくいっていないのではないか。

傍から見たら分からないけど、
自分には分かる。

誰かに相談したとして、
「みんな同じようなものだよ。」
「大丈夫、ちゃんと出来てると思うよ」

そんな風にきっと励ましてくれるだろう。
多分、そうやって多くの人が悩んでいる。
そして、時が来ればあの時の心配は
杞憂に終わっていく。

でも、私の現実はそうなりそうもない。

子供との相性というものは幼稚園くらいから
よく考えていた。

私はいったいどんな母親なのか。

末っ子で甘ったれなただの自己中なのか、
もしかしたら、毒親のはしくれか、
もしかして大人の発達障害もあるのかも・・・

色々なパターン、可能性を考えるうち、
冒頭の、

「話を聞けない母親」

という容疑が浮かび上がった。

話を聞くことは、難しい。

自分が話を聞けないタイプだと気が付いた事は
間違いなく大きな前進だったのだけど、
実行するとなると、これが、本当に出来ない。

”話をちゃんと聞く”

ただ、それだけの事が出来ないのだ。

気が付けば、話の途中で

「そんなことないよ」と否定して、
「大丈夫だよ。」と勝手に結論づけている。

こうして、信頼を損ねて、
段々話してくれなくなる悪循環。

”余計なひとことが多い”のは、特に気を付ける。

会話の途中で浮かぶ言葉を、すぐに発しないで、
一旦自分の中で精査する。

すると、私の考えてる言葉は、
ほとんど余計な言葉ばかりで、
自分の言葉にフィルターをかけたら、
子供にかける言葉がほとんどなくなってしまった。

・・・これが何を意味するのか。

今まで、何も考えずに、

余計な言葉ばかりを投げつけていた。

子供との信頼関係が、今の状態になるのに
充分な考察だ。

家族を続けて来られた奇跡。

こーんな、人の話を聞けない私が、
何とか家族を保って来られたのは、
他でもない、
ものすごく聞き上手なオットのお陰かもしれない。

普段はあまり喋らないオット。
もちろん嫌味や、余計な事も言わないし、
相談したら、いつもちゃんと話を聞いてくれる。

私がどんなに間違った対応をしようが、
文句のひとつも言わない人。
甘やかされていると思っていたけど、
超合理主義なオットは、

”人の話を聞かない私には言っても無駄”

という信念の元、
あえて無駄な労力を使わずに、
私を放置していたのかもしれない(たぶん)

傾聴とは?

米国の心理学者、カール・ロジャーズ(Carl Rogers)によって提唱された
積極的傾聴(Active Listening)

1.共感的理解 (empathy, empathic understanding)
相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。

2.無条件の肯定的関心 (unconditional positive regard)
相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴く。そのことによって、話し手は安心して話ができる。

3.自己一致 (congruence)
聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認する。分からないことをそのままにしておくことは、自己一致に反する。

特に、2は、私が出来ていないところです。

コミュニケーションで一番大事なのは、
話す力より、聞く力であり、
話すより、聞く方が疲れるし、難しいのだそう。

聞くことが難しいのは、私が特別ダメな人間じゃなく、
一般的に、難しい事なのでした。。。

傾聴を、英語では、listen attentively(注意深く聞く)と言う。

話すことは、気持ちいいが、
聞くことは、忍耐が必要。

子供を産んだだけでとりあえず親にはなれた。
親になれても、信頼は勝手に出来るものではなかった。

今からでも、間に合うだろうか?
何か、変わるだろうか?

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