想像してごらん。

思考回路

40歳を過ぎた頃から、
あまり知らない人でも、平気で話しかけれる
”立派なおばさん”に成長したわたくし。

でも、今年の秋ごろから、あえて何も聞かず

”想像を巡らせるおばさん”

にシフトチェンジすることにした。
おばさんのコミュ力を行使せず、
興味が向くままに根掘り葉掘り尋ねない。
目指すは、

『何も聞かない、何も言わない。』

(まるで、どっかのウイスキー?)

とあるカフェ

秋にたまたま見つけたカフェが、
あまりにも素敵な空間だった。

年季の入った木のカウンター越しの壁には
色々な柄の素敵なカップ&ソーサー。
随所に、所狭しと並べられた季節の雑貨や生花。
何かの物語の中のドールハウスにでも
迷い込んだような狭い空間。

年配の女性が一人で切り盛りしてるのも、
想像力が掻き立てられる。

カウンターに座った私は、
店主に話しかけたくて仕方ない。。。

「このお店、オープンしてどれくらいですか?」
「この美味しいドレッシングは手作りですか?」
「このパンは、ご自分で焼いてるのですか?」

でもでも、
美味しいコーヒーを飲みながら、
想像を巡らせているうちに、答えを聞いてしまうよりも、
勝手にあれこれ想像した方が、はるかに楽しい事に
気が付いた。

その後、数回そのカフェに訪れた。

毎回、同じものを頼む。
毎回、同じように丁寧に仕事をする店主。
毎回、それをカウンター越しにチラ見する私。
毎回、同じで安心しつつ、違う発見もあり、
訪れる度に、私の想像力は喜んでいる。

支払いを済ませて帰る時には、
毎回、

「気を付けてお帰り下さい」

と丁寧な物言いで全ての客に声をかける。
自分に言われるのもとても嬉しいし、
他のお客さんに言ってるのを聞くのも心地いい。

この店主の人生を、
想像せずにはいられない。

実は、ブログにこのカフェの事を書くつもりで
写真も何枚か撮影してきてるのだけど、
この記事を読む人が想像する余地を
奪ってしまうから、写真は載せないことに。

想像ゲーム

高校生の息子は、音楽が好き。
ジャンルも、どんなものでも聞く。

変わった音楽や、聴きなれない音楽が流れてくると
自分の世界を持てているような気がして
少し嬉しくなる。

少し前に、息子が聞いていた曲に、

「この曲、〇〇のイメージだね」

とポツリと言ったら、

「じゃあ、これは? これは?」

と曲のイメージ想像ゲームが唐突に始まった。

「これは、バッドエンドの映画のエンディング」
「これは、風が吹いてる広い草原な感じ」

映像も歌詞もない初めて聞く音に、
勝手にイメージを膨らませていくワクワク感。

イントロクイズで、曲名をズバリ答えるより
自由で、100倍楽しい。

小説と映像

小説の良いところって、
文章から情景、人物、空気感を想像できるところ。

同じ小説を、100人読んだとする。
ひとりひとり思い浮かべる登場人物像が違うって、
想像するだけで、ワクワクする。

人気小説が、映画で実写化すると、
登場人物が、出演する俳優さんのイメージで
固定されてしまうんだよな。

実写化する前は自分なりの登場人物のイメージを
持っていたのに、実写化した後は、
出演した俳優さんで上書きされてしまいます。
私だけなのか?

役に立たない事ほど面白い。

普段、何かにつけて

間違えないように、
正解を目指そう、
答えを探そうとしている。

現実は、
きちんと知っていた方が良い事、
想像でうやむやにしない方が良い事
の方が多い。

私にとって、想像することは、
空気の入れ替えと同じ。
換気とか深呼吸みたいな感覚です。

いわゆる、ビジネスシーンで役に立つ
先を読む、気が利く、リスクの予測などの

”想像力”

とは、全く別物です。

私のは”想像力”ではなく、
役に立たないであろう、ただの”想像”

困ったことに、役に立たないものほど
面白いんだよね。

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